ニュースリリース
クルマ・技術
マツダ、世界初となる摩擦熱を利用した鉄とアルミ材の点接合技術を開発
マツダ株式会社は、世界で初めて鋼板とアルミ板材を直接点接合する技術を開発したと本日発表した。この新技術は、2003年に「マツダRX-8」で実用化した摩擦熱を利用するアルミ板材どうしの接合技術を発展させたものであり、今夏発売を予定している新型「マツダロードスター」のアルミ製トランクリッドと鋼板製ボルトリテーナーの接合に採用する。
従来、鉄とアルミのような異質な金属どうしの溶接による接合は困難とされてきた。しかし、回転工具の形状と接合条件を最適化し、鉄側に亜鉛メッキ鋼板を使用することにより、鉄とアルミ材の接合を可能とした。その工法は、アルミどうしの接合技術と同様、接合ピンで上下から接合箇所をはさみこみ加圧しながらピンを回転させ、それにより生じる摩擦熱を利用してアルミ材と鋼板を直接結合するものである。 亜鉛メッキは異種金属の接触腐食を防ぐ役割も果たしている。鉄とアルミ材の摩擦点接合は、従来の「リベット接合」、「メカニカルクリンチ」などの接合方法に比べ、アルミ鋳物や高張力鋼板などの変形しにくい材料どうしの接合にも適用が容易である。また、リベットが不要なためランニングコストを軽減できる。
この革新的な技術は、鉄とアルミ材の接合を容易にし、鋼板製自動車ボディへのアルミ部材採用の可能性を高め、さらに広い範囲の産業にも貢献できる発展性をもつ。新型「マツダロードスター」の開発ではグラム単位の徹底的な軽量化とコスト削減にも貢献している。マツダでは、現在この技術に関連し20件以上の特許を申請中である。 |